スノーピーク(7816)株の分析をしてみた

前回は少し違った趣向の記事を書いてみましたが、またいつも通り企業分析に戻りたいと思います笑

今回は、株式会社スノーピークです。

アウトドア好きの方はご存知かと思いますが、年に一度くらい、機材をレンタルしてバーベキュー場でバーベキューを友達とやる、くらいの私みたいな方にはあまり馴染みはないかもしれません。

スノーピークの事業内容は、

アウトドアライフスタイル用品の開発・製造・販売事業

となっております。

平たく言うと、アウトドア用品の販売が主なビジネスです。

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会社概要

私達の事業の目的は、自然指向のライフスタイルを提案し実現することです。
私達は、私達が現在行っている Outdoor Lifestyle Creator としての事業、 そしてこれから行っていく全ての事業を、
人間と自然が豊かにふれあえるライフスタイルの提案ととらえ、
徹底的にユーザーの立場に立ったプロダクツやサービスを提供したいと考えています。

スノーピーク公式HPより引用

冒頭で述べた通り、スノーピークの売上のほとんどはアウトドア用品販売ビジネス(キャンプ事業)によるものが占めています。

 

アウトドア用品というと、おそらく私を含めた普通の人でも知っているのは「Coleman(コールマン)」か「mont-bell(モンベル)」あたりでしょうか。

スノーピークと他のアウトドアブランド商品との最大の違いはその価格にあります。

スノーピークの商品はハイエンドのキャンプ用品を販売することに注力しており、他ブランドに比べて場合によっては数倍の価格設定をしています。

価格が高い一方で、その品質には定評があるようで、私の友人のキャンプ好きに言わせると、スノーピークのテントを使っている人をキャンプ場で見かけると、「あの人、違うな!」と思えるそうです。

 

それを聞くまでは、てっきりショッピングモールとかで馴染みのあるコールマンとかのほうがハイブランドなのかと思っていましたが、キャンプを趣味として足を突っ込んでいる人にとっては違う模様。

(ちなみに、その友人曰くスノーピークの商品カタログを眺めるのがものすごく楽しいんだとか。)

 

以上のように、スノーピークは高価格である一方で、それに見合った品質とハイブランドのイメージがキャンプ上級者に対して浸透していると思われます。

 

ビジネスモデルと成長性

ビジネスモデル

ハイエンドのキャンプ用品を販売することがビジネスの主であり、同業他社との差別化ポイントとしても、ブランド力と商品の品質に重点を置いています。

売上構成比

売上の多くはアウトドア事業が占めており、アパレル事業がそれに次いでおります。

売上高構成比

Shared Researchレポート情報より作成

また、アウトドア売上は前年比+12.5 %、アパレル売上は前年比+88.6 %となっており、アパレル事業の成長が現在加速中。

スノーピークの中長期計画資料にも、アパレル事業の売上を高めてアウトドアと並ぶ柱にしようとしていることが書かれています。

スノーピークブランドのアパレル商品を見てみると、シンプルでかつ機能性を重視したような商品が多く並んでいます。あまり若い層というよりは、30代以降をターゲットにしたようなラインナップのように思います。

価格も決して安くはないですね。

近ごろ人気が右肩上がりのアウトドアブランド『スノーピーク』。実用性にすぐれたアイデア豊かなギアが代名詞ですが、おしゃれなアパレルも充実しているのをご存じですか?

また、スノーピークは値引きによる在庫処分は行っていません。

この理由として、人気のある定番商品を持っているため長期間かけての販売が可能なこと、商品品質とブランド力に自信を持っていること、が挙げられると思います。

また、安易な値下げはエンドユーザーから見ても、「安売りされるブランド」というイメージを植え付けて、ブランドイメージの損失にもつながりますしね。

スノーピークは、商品を海外へ委託していたりするので、円安によるコスト増やそのほかの原材料高によるコスト増が商品価格へ転嫁できるだけの強い定番の商品を持っていることは、事業の長期的な成長を行う上では非常に大きい強みといえるでしょう。

販売形態

スノーピークの販売形態としては、以下の5つが存在します。

  • 直営店
  • EC
  • ショップインショップ
  • インストア
  • ディーラー卸売

決算資料によると、ディーラー卸売からショップインショップへの変換推進を行っていることが分かります。

ショップインショップとは、他社が経営するスポーツ用品店などにスノーピークの専用コーナーを設けて、スノーピーク商品についての教育を受けた専門スタッフが接客にあたるという形態です。

インストアも似たようなもので、他社の小売店舗にスノーピークの専門スタッフを置いて接客するという形態です。

直営店に比べて、売上の一部が小売店にマージンとして取られるため、不利な点はありますが、賃料などの固定費を低く抑えられるというメリットがあります。

スノーピークは、現在、エンドユーザーとの関係性の強化を非常に重視していることが資料を見ているとわかります。

「自分たちの高品質な商品を、正しい形で理解してもらい、長く続くファンになってもらう」というのが基本戦略のようです。

そういった意味でも、単に商品を卸して終わり、というディーラー卸売形態ではなく、正しい商品知識が担保された専門スタッフに接客をさせる、インストアやショップインショップの拡大を行っています。

私としても、ファンを付ける、ブランド力を高める、というのは特にB2Cビジネスにおいては非常に重要で、それさえできればそうそう成長は止まらないと考えておりますので、この戦略は正しい方向性だと思います。

もちろん、これができるのは高品質な商品を供給できるスノーピークならではといえるでしょう。

成長性

続いて事業の成長性を調べるために、決算書から売上と利益の推移を見てみます。

スノーピーク売上高スノーピーク営業利益 スノーピーク純利益

過去の決算情報から、売上高・営業利益・純利益とそれぞれの前年比をグラフにしてみました。

純利益は14年に少しへこんでいますが、全体的に右肩上がりで成長を続けています。

成長率で見ると、かなり上下をしていますが、総じて前年比+数十%程度の成長を見せています。

一方、売上の地域別構成を確認すると、順調に成長を続けているのは日本くらいで、アメリカ・台湾・韓国にも進出してはいるものの、決して順調に成長とは言えない状態のようです。

スノーピーク地域別

スノーピーク 2016年12月期 第2四半期決算資料より引用

 

ここまでに散々述べた通り、スノーピークのビジネスはブランドや高品質な商品に裏付けされたものになっており、ビジネス戦略としてもそれを守り、強化する方針です。

よって、これらのブランド認知度がまだまだ少ない海外では、拡大はそう簡単ではないのかもしれません。

 

つまり、同社の成長性は現在は国内市場のみに支えられたものといえます。

 

将来的に国内だけではアウトドア市場がそこまで伸びるとは考えにくいですし、海外展開の強化が今後の鍵を握ります。

この辺は「マーケットの成長性」の項で書きますね。

 

財務まわり

貸借対照表とキャッシュフロー計算書をざっと数年分見てみましたが、大きな問題はないかと。

16年12月期決算で、前年に比べて「現金及び預金」をはじめとした流動資産が急激に減っています。

流動資産推移

 15年12月期 4,100百万円

 16年12月期 3,482百万円

ただ、これは15年において、自社株売却を行った結果流動資産が通常年に比べて増えていたこと、16年にオペレーション施設への投資を行ったことで説明されていたので、問題は無しと判断します。

マーケットの成長性

国内のアウトドア市場は、ここ数年間、年数%程度のプラス成長をしています。(矢野経済研究所資料より) 

急激な成長をするようなマーケットではないですが、決して悪くはありません。

一方で、アウトドア(オートキャンプ)の参加人口は減少傾向にあることもわかっています。つまり、一人当たりの購買価格が高くなっていると考えられます。

今後は国内人口減が予想されますし、長期的には参加人口は一層縮小すると思われますが、近年の音楽ライブやイベントが好調であるように、「体験型サービス」に対して消費を行う傾向が今後も続けば、市場自体はプラスか悪くても横ばいになるとも考えられます。

そうなってくると、安かろう悪かろうな企業ブランドではなく、より本物志向なブランドが好まれるかもしれません。

 

一方、海外に目を向けると、アメリカは日本の数十倍のアウトドア市場規模を誇っているとのことであり、人口が増加予想されていることもあって、今後も成長する可能性は高いです。

また、新興国においても、経済的な成長を背景とした娯楽への消費が増加していけば、アウトドア市場が増加していくことは容易に想像できます。

強みと弱み

スノーピークの強みと弱みをまとめてみます。

強み

  • 国内における高いブランドイメージ
  • 高品質商品を生み出す開発力
  • ブランドと品質を背景とした価格競争力
  • エンドユーザーとつながりを重視する企業戦略の統一性

弱み

  • 海外における市場シェアの低さ
  • 商品力訴求コストの高さ
  • アウトドア市場動向に強く影響される

こんなところでしょうか。

高価格帯での競争力のある商品を持っている会社なので、エントリーモデルを別途販売することで、新規の顧客層を高いブランド力を利用しながら開拓することも可能なのは強いです。

株価の妥当性

株価

3/31現在の株価は 3,175円 です。

予想PERは、約35倍 となっています。

確か上場した直後あたりにここの株をチェックした覚えがあるのですが、その時に比べると大分PER的にも落ち着いたなー、といった印象です。

うろ覚えですがあの時は60倍近くあった気がする。。。

現在の成長性から考えると決して高すぎる株価ではないと考えています。

一方で、今後の海外展開がうまくいくかどうか、によって株価はかなり左右されそうに思います。

ただ、こういったブランド力や商品力に裏付けされた成長銘柄って、定量的に売り時を考えるのがすごく難しい気がするんですよ。

どうなったら、利食いまたは損切りをするべきか、っていうところの判断が。

そこがきちんと判断できれば、買ってもいい銘柄かなーと思います。

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チョーコク (@chokoku_J)さんの最新ツイート。長期的に年10%利回りを目指すひと。主に日本株と投資信託で運用中。本業は新規商品開発をするエンジニアです。資産運用系ブログもたまに更新してます^_^
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