ふるさと納税はお得な制度だけど、日本全体としてお得なのか?

皆さんはふるさと納税使っていますか?

こういう資産運用系ブログをやっているとふるさと納税についての記事をよく目にします。

「ふるさと納税をしない人は人間じゃない!」と言わんばかりに勧めてくるブログ記事も結構あるんですよね。

私自身はどうかというと、前から制度は耳にしていたのですが、何と無く面倒そうで手を出していませんでした。

が、昨年の年末、確か12月29日くらいに友人と会った際に勧められました。

「めちゃくちゃお得だから始めたほうが良いよ!」と。

ふるさと納税はお得な制度だというイメージはあったので、その日のうちに専用ポータルサイトで手続きを行いました(^^)

専用ポータルサイトで手続きを行えば、一括でふるさと納税を行え、非常に簡単ですね。

年始には、早速豪華な返礼品が送られてきて、「こんなにお得な制度を使わない人は人間じゃない!」というのは確かにあながち間違いじゃないなー、と思っています。

さて、私達のようなふるさと納税利用者にとっては非常にお得なこの制度ですが、誰かが得する裏には損する人もいるのでは、また、最近はこの制度の返礼品競争に対して批判的な意見もよく目にします。

その辺について調べてみました。

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ふるさと納税とは

ふるさと納税は納税と言いながらも実態は「寄附金」です。

利用者は自分の応援したい地域の自治体に対して寄附を行うというのが基本的な考え方です。

寄附を受けた自治体の多くはお礼として、その地域の特産品などの返礼品を用意しており、利用者は寄附額に応じてそれを受け取ることができます。

さらに、ふるさと納税行うと、所得税の還付や住民税の控除を受けられ、節税を行うことが可能です。

これを利用すれば、実質2,000円の負担で地域の特産品をゲットできる!

ということで人気を集めている制度となっています。

tax_payment_structure

「ふるさと納税とは – さとふる」より引用

詳細は以下のリンクあたりが参考になるかと思います。

寄付を通じて地域の人を応援、お礼品を通じてあらたな地域の魅力を知る。寄付金を有効活用した地域づくりに貢献でき、地域の生産者も喜び、寄付した人もお得になる、みんなが幸せになれる制度がふるさと納税です。

ざっくりいうと、2,000円の負担で豪華な返礼品がもらえる制度、となっており、最近は「さとふる」のようなふるさと納税を簡単にできるようにしてくれる専門ポータルサイトが増えて、より多くの人が利用しているわけです。

ふるさと納税の始まり

意外と前から存在する

ふるさと納税自体は結構前から存在していたイメージがあります。

当時の私のイメージとしては、今は離れてしまったが、自分の出身地、あるいは特別な思いがあり応援したい地域に対して少しでもお金を流してあげたいと応援する意味合いで、税金の一部を自分の好きな地域に支払える制度、というイメージがあり、返礼品目当ての利用なんて想像もつかなかったです。

調べてみるとふるさと納税の制度自体は、2008年に始まっており、案外長くて9年の歴史があります。

ふるさと納税の目的

ふるさと納税開始の目的は調べた限り以下の点が考えられます。

  • 故郷に対する税金の還元
  • 地域間格差の是正
  • 自治体間の競争意識の刺激

故郷に対する税金の還元

多くの日本人は、成人するに伴って自分の育った故郷とは違った地域で働き、生活しているかと思います。

基本的に地方税は住民票のある自治体に対して支払うことになりますから、生まれた故郷の自治体には全く税金が入りません。

そこで、自分たちが育った故郷に対して納税し、少しでもお金を還元させる方法があってもいいのでは、という提案がふるさと納税の発足の大きな動機であり原点であるとされています。

結構感情的?な動機ですかね。ここの部分は。

地域間格差の是正

当たり前ですが、都市部には人が多く集まり、地方では人が流出しがちです。

人口が多ければ多いほど、税収は多くなるので、都市部と地方とでは大きな税収の格差が生まれます。東京都の予算なんて、莫大ですからね。

この人口集中によって、納税が著しく偏りがちな都市部と地方の格差を減らすことも大きな目的とされています。

現代では、都市部で生まれ育った人はもちろん、地方で生まれ育った人も、生活や労働の環境を都市部に求めることが一般的な風潮になっています。そのため、地方には十分な行政コストが行き届かず、ほとんどを都市部に回収されてしまう仕組みができあがってしまいました。その上、老後の余生を生まれ故郷で過ごそうとする人が多いことから、地方には介護や福祉といった行政コストの負担が集中する始末。

そこで、これまでとは逆に、都市部から地方に税を還元できる仕組みとして実現したのがふるさと納税です。

「こうして「ふるさと納税」は生まれた」より引用

自治体間の競争意識の刺激

上述の2つの目的だけなら、例えば、納付者の生まれた地域に対してしか寄附できなようにしてやれば、良い気もしますが、ふるさと納税は生まれ故郷以外の縁もゆかりもない地域に対しても寄附することができます。

つまり、利用者が寄附する地域を自由に選択できるようにすることで、自治体間での競争意識が刺激され、名物や特産をよりPRしてブラッシュアップするようにしたり、創意工夫することを奨励しているのです。

東日本大震災を機に利用者増

ふるさと納税の納税額と利用者の推移は以下のようになっています。

ふるさと統計

総務省「ふるさと納税に関する現況調査結果」より引用

これを見ると分かるように、東日本大震災のあった平成23年3月の直後である平成24年度に利用者も利用額も急増しています。

このときは、恐らく本来の趣旨の通り、つまり震災で大変な思いをしている被災地に対して応援の意味合いで寄附を行っていたはずです。

これを機に、ふるさと納税自体の知名度が上がったのか、利用者は急増しています。

その他にも利用者急増の要因として以下の点が考えられます。

  • 「さとふる」のようなふるさと納税に特化したサービスの開始した
  • 各自治体が用意している返礼品の充実した
  • 確定申告不要制度により、サラリーマンが利用しやすくなった

「さとふる」や「ふるさとチョイス」は年末にはめちゃくちゃ沢山テレビCM流してましたね。

ああいう民間サイトが充実し、ふるさと納税の知名度向上だけでなく、便利さの面でも利用のハードルはかなり下がっているでしょう。

でも、一番は私のように友人・知人による口コミの効果が一番大きいかもしれません。

2,000円の負担で豪華な返礼品がもらえる、というのはやはり魅力的ですからね。

誰かに勧めたくなる気持ちはわかります。

ふるさと納税のメリット

納付者目線のメリット

ふるさと納税の納付者(寄附者)目線に立つと、メリットは、

「自分の好きな、応援したい自治体に対して納税できる。」

と本来の目的から言いたいところですが、

「面倒な手続きなしに、少額負担で地域の豪華な名産品を受け取れる。」

が殆どの利用者にとってのメリットであり、利用の動機でしょう。

実際私が去年の年末に利用したときには、正直名前も初めて聞いたような地域に納税しましたから。

この辺はわかりやすいです。

自治体目線のメリット

自治体目線だと、ふるさと納税によって発生するメリットは2つ考えられます。

  • 域外の住民からの寄附による増収
  • 返礼品用購入による域内の事業活性化
  • 域外の住民に対する知名度向上

域外の住民からの寄附による増収

ふるさと納税によって寄附を受ける自治体から見ると、受けた寄附の利用内訳はざっくり以下の様なものでしょう。

(寄附金額)=(返礼品費用)+(事務手続き費用)+(収益)

この「収益」の部分が自治体にとっての税収増額分となり、このお金を自由に利用できるわけです。

ちなみに、ふるさと納税では納付者が寄附金の用途を選択できるようにしている自治体が8割程度となっています。しかし、この用途の指定を守ることは義務ではないようですね。

それでも最近は、多くの自治体が仕様実績を公表する流れのようです。

もちろん、自分の地域住民がふるさと納税を利用して、他の地域に納税してしまうと、本来入るべきだった税金が入らずに減収となってしまいますので、リスクはあります。

しかし、返礼品として魅力的なモノやサービスを提供できる自治体であれば、それ以上の収入を維持し、税収増につながります。

ちなみに、後述しますが、ふるさと納税による税収減は国が補填する仕組みがあるので、このリスクは自治体にとっては小さいといえます。

返礼品用購入による域内の事業活性化

殆どの場合、返礼品は自分の域内に存在する事業の売上につながるようなモノやサービスを採用しています。

代表的な人気の返礼品としては、その土地のブランド牛の肉だったり、海産物だったり、地酒だったりですね。

これらの売上は当然その事業を運営する地元の企業を潤す結果につながります。

それによって、間接的に仕事を供給し、住民の流出を防いだり、特産品の知名度向上・ブランド力向上による長期的な事業収入増、それによる税収増が期待できるといったところでしょう。

域外の住民に対する知名度向上

前述したとおり、私は前回のふるさと納税を行うまで、自分が寄附した地域の名前すら知りませんでした。

例えば、国内旅行に行くとなる定番の地域である、京都・沖縄・北海道、は必ず一度は候補に上がりますよね?

でもこういった(失礼ですが)無名の地域は話題に上がることすらないのです。

ですので、まずは名前を知ってもらい、どんな地域なのか興味を持ってもらえるという意味では非常に大きなメリットなはずです。

実際、自治体によっては、その土地にきてもらうことを誘導するような返礼品(体験型の返礼品)を提供しているところも多いです。つまり、単にその場限りで終わるのではなく、より深くその地域自体を知ってもらい、地域を活性化させようとしているわけです。

この点は、返礼品である特産品の知名度向上という点とも同じです。

ふるさと納税のデメリット

良いこともあれば悪いことがあるのが世の中。

最近は人気が加熱するふるさと納税に対して批判的な意見もよく見るようになりました。

それについて書いてみます。

納付者目線のデメリット

納付者目線でのデメリットは、正直殆どないと思います。

少し前までは、ふるさと納税による税金の還元や控除には確定申告が必要で、サラリーマンにとっては面倒という点がありましたが、現在はワンストップ特例という制度を利用することで、サラリーマンでも確定申告不要で節税の恩恵を受けることが可能になっています。

確定申告をせずワンストップ特例制度をご利用になる方はこちらのページをご覧ください。申請書の記入方法やいつまでに提出すべきか期限もご確認頂けます。

強いて言えば、所得による不公平感があるという点でしょうか。

ふるさと納税は節税につながる限度額が、利用者の収入によって決まっています。

年収の多い人のほうがこの限度額が大きくなるようになっているため、同じ2,000円の負担内で行える寄附額も年収が多い人のほうが大きくなり、その分受け取れる返礼品も多くなるというわけです。

通常、累進課税制度に代表されるように、税制は高所得者のほうが不利に(負担が大きく)なるようになっているものですが、ふるさと納税に限って言うと、まれに見る金持ち有利な制度と言えます。

6月に「ふるさと納税」本、『2015年改訂版 100%得をするふるさと納税生活完全ガイド』を購入。高所得多額納税者には、こんなことがあっていいのかという、もの凄い利点がある、使わなければバカみたい!というような内容!しかし、どこか変な制度です。

自治体および国目線のデメリット

さて、自治体目線に立つとどうでしょう。

一番わかり易く損をしているのは都市部の自治体です。

「ふるさと納税」による東京23区の税収の減収額が2017年度には207億円に達する見込みだ。16年度も129億円と15年度の5.6倍の減収を見込むが、17年度はさらに6割増えることになる。各区からは善意の寄付との趣旨は理解しつつも、返礼品競争の過熱を疑問視する声が噴出。対策を検討する動きも出つつある。

日経新聞「東京23区、ふるさと納税で減収200億円超 」より引用

ふるさと納税の返礼品として人気があるのは、やはり肉や海産物です。

そういった人気の返礼品を用意することは東京のような都市部で用意することは難しく、ふるさと納税による収入を得ることは難しく、純粋に自分の域内の住民がふるさと納税を利用することによる税収減が上回ってしまうことになります。

都市部は税収が多いと言いますが、人口も多いのでその分住民を支えるための公共サービスを維持するための支出も大きいです。

港区や中央区のように、住民の一人当たり収入が高い自治体はいいのでしょうが、そうでない自治体は税収が減ることはやはり厳しいはずです。

また、地方自治体で特に目立った魅力的な名産がない地域もしんどいでしょう。

もともと財政が厳しいところに加えて、ふるさと納税による税収減なんて自治体も多いはずです。

特に最近は、ふるさと納税ポータルサイトで寄附先が人気ランキング化されているので、寄附の集中が激しくなっていると思われます。

国もこういった自体は想定済みで、地方交付税として減収分の75%を補填しています。

が、東京23区はこの補填の対象から外れていますから、今後ますますふるさと納税の利用者が増えたら、その影響は深刻になるでしょう。

「ふるさと納税による自治体破綻!」とかあってもおかしくないかも?

返礼品は悪か?

もともとの目的であった、「故郷に対する税金の還元」「自治体間の競争意識の刺激」が加わり、現在の返礼品競争が生まれたといえます。

自分の生まれ故郷に寄附している人は、ほとんどいないであろう現状を止めるためにも、過剰に加熱する返礼品競争はやめるべきである、という声もかなり見られます。

先にも書いたとおり、ふるさと納税に依る減収分は国が多くの補填を行っています。

つまり、ふるさと納税によって地方に流れるお金は実質国が負担しているわけです。

これだけ書くと、昔あった「ふるさと創生事業」によって国から各地方自治体へ配布された1億円の交付金が、わけの分からない巨大オブジェや誰も使わない博物館の建設に利用されて、ほぼ無駄になったことに似ていますが、今回のふるさと納税に関して言えば、「自治体間での競争が生まれている」という点が大きく異なります。

競争原理を地方に持ち込み、各自治体が自分たちのアピールを広く国民に対して行う舞台を作った、という意味で、非常に有意義な制度であるのではないか、と私は思います。

しかし、全く現状のままで良いかというとそうでもないと思います。

例えば、返礼品の種類に規制を入れるなどは必要かと。

返礼品として商品券を出しているような自治体もあるそうですが、その地方の魅力もクソもなく、もろに納付者の金銭的利益に直結するようなものは規制するべきです。

欲を言うと、各地方自治体にとっての次に繋がるようなもの、例えばその地域への宿泊券などがもっと活発に扱われると、より良いですが、中々難しいでしょうね。

通常のふるさと納税の寄附上限で、旅行券・宿泊券までカバーするのは現実的ではないですから。

また、他にも企業と自治体との癒着問題もあります。

各地域の企業にとってみると、返礼品の指定を受けられると大きな売上向上につながります。

しかも、企業から見ると顧客は自治体となり、これ以上信用リスクの少ない相手は居ないわけで、企業側も必死で返礼品の指定を取りに来るはずです。

それによる自治体と企業の癒着も考えられるわけです。

如何に透明性をもって、返礼品指定企業を行うのか、はやはり課題でしょう。

まとめ

ふるさと納税の目的やメリット・デメリット、長々と書きました。

地域間格差を減らすという意味と地方に競争原理を持ち込むという意味では、ふるさと納税は有意義な制度だと思います。

地域の活性化が日本全体の活性にもつながるでしょうし。

しかし、これらの意味・意義を今後も守るためにも、一定の規制は必要だと思います。

この辺は総務省大臣もコメントしていたりするので、恐らく何らかの対処がされるのかな。

では。

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コメント

  1. 匿名 より:

    非常にバランスのとれた記事でした。

    個人のメリットにのみ終始する記事やふるさと納税制度を悪と決めつける記事も多い中、日本全体という視点でも分析した、良質な記事でした。