こんな疑問に答えます。
- 株投資初心者でも自分の得意分野から投資先銘柄を見つける方法
- 自分の知らない分野の株を買うことはリスクが高い、ということ
私はサラリーマンをしながら株式投資を日々行なっている、いわゆる兼業投資家です。
株式投資を最近初めて、投資先銘柄選びで困っている方の多くも、普段はサラリーマンをしている兼業投資家かと思います。
兼業投資家は、専業投資家に比べると銘柄調査や分析に割ける時間がどうしても限られてしまいます。
こういった株式投資に割ける時間が少ない我々兼業投資家だからこそ、効率的に、そして誰よりも早く上昇する銘柄を選び出す方法を今回はご紹介します。
目次
本業に関わる得意分野の知識を使って銘柄選びをしよう
一般的に言って、もし医者に質問すれば、医療関係株より石油株のほうにはるかに多くの投資をしていたことがわかる。靴屋の店主は製靴会社の株より航空宇宙株に、航空宇宙関連企業に働く技師は逆に製靴会社の株の方に投資している。どうしていつも隣の芝生の方が青く見えるのか、私にはわからない。
「ピーターリンチの株で勝つ」より引用
サラリーマンをしながら働いているなら、みなさん自分の本業があるはずです。
結論から言うと、「本業で得られる知識や経験からビジネスモデルが十分に理解できる企業」から重点的に調べて銘柄選びをすることが投資初心者にとって難易度が低く簡単に儲かる銘柄の選び方です。
自分の持っている知識はプロのアナリストよりも有利な情報であることを自覚すべき
みんな普通に働いていると、自分たちのスキルや知識というものを案外軽視しがちです。
「こんな知識はみんな持っていて当たり前」、「働いて数年しか経っていないし、ベテラン投資家に勝てるような知識なんて持っているわけがない」と。
でも、フルタイムで一つの業界で働いていることっていうのは知らず知らずのうちにものすごい専門知識や業界の知識、慣習といったものを吸収しているものです。
例えば、コンビニで働いているなら、誰よりも最近のお菓子の商品を知っているでしょうし、車業界で働いているなら、誰よりも早く部材の受給状況について把握しているでしょう。
つまり、たとえ株式投資の経験が全くないとしても、自分の本業の業界や取引のある周辺業界の企業のビジネスモデルに関する知識は、普通に働いていれば業界以外の誰よりも深く身についているものです。
ですから、多くの証券アナリストやベテラン投資家よりも、投資に素人のあなたの方が企業が「なぜ儲かっているのか?」、「今後も継続的に儲かりそうか?」といった情報を、より深く、より早く知ることができているのです。
株式投資で儲ける方法は簡単で、儲かる企業にいち早く投資をすることです。
このアドバンテージを使わない手はありません!
私自身、過去に何度か自分の本業の知識を活かして投資をしたことがあります。
例えば、現在も保有している ベクトル(6058)という会社がまさにその例です。
ベクトルは以前自分が顧客として、自社商品の広報活動やマーケティング活動に利用したことがありました。
その際に、ベクトルの持つ各種サービスがそれぞれが非常に高い連携性を持っており、いち商品のPR活動の中で多くのマネタイズポイントを持っていることを知り、そこからさらに詳細な企業分析をして投資を始めた経緯があります。
その結果、ベクトルは私が過去に投資した全銘柄の中でもトップクラスの利益をもたらしてくれました。
ベクトルが連携性の高いサービスラインナップを持っていることは、その業界に少しでも足を突っ込んでいれば、別に専門家でなくても知ることができる情報です。
でも全く業界と関係のない一般人が知ることは非常に難しい情報であることも事実ですから、実はお宝情報だったわけです。
こういった身近にある、自分では当たり前と思っているような情報から投資先銘柄の選定をすれば、実はプロの証券アナリストやベテラン投資家に対してすら優位に立てる可能性を高めることができるのです。
業界外の人間がビジネスモデルを理解するのは難しい
自分の精通している業界の企業から銘柄選びをする方法のメリットは他にもあります。
それは、「ビジネスモデルを深く理解せずに投資をすることを避けられる」ということです。
その前提には「業界の外の人間が、その業界のビジネスモデルを理解するのは想像以上に難しい」ということがあります。
特に投資初心者の頃は、自分で理解できないビジネスを行う企業に投資することは避けるべきでしょう。企業の浮き沈みは激しいですから、一時的に利益が出ている企業だとしても、一過性の利益であって、或る日突然暴落、ということはよくあることです。
ですから、他人が勧めてきたりする銘柄があったとしても、それを鵜呑みにして「どうやってその企業は儲けを出しているいるのか?」や「今後も利益を出し続けられるのか?」ということを自分の中で腹落ちする形で納得できないのであれば、投資はしない方がいいです。
そして、この「腹落ちする形での納得」をするためには、自分が詳しい業界の企業であればあるほど、その精度も高くなるはずです。
今までなかった市場をベンチャー企業が作り出した時、大企業が資本の力で市場参入して一気にシェアを取ろうとすることがよくあります。
しかし、その多くは失敗、あるいはベンチャー企業に勝てないということがよくあります。
その理由は簡単で、「出来たばかりの市場の顧客ニーズを正確に理解するには、市場参加者でないとできない」からです。
市場の外のいる、つまり業界外の人から見ると、顧客ニーズやビジネスモデルを理解したつもりでいても、実は本質はもっと複雑で、その市場に実際に足を突っ込んでみないとわからないことがよくあるのです。
大企業が市場参入しても顧客ニーズをうまく捉えられずにうまくいかないということがあるのです。
今回の株式投資の話も同じですね。
(ちなみに大企業は自力で参入するのではなく、ベンチャー企業自体を買収するのもそのせい。)
すぐにできる具体的な銘柄選びの方法
では実際にどのようにして銘柄選びをするのか。
まず、自分が働いている業界の中で上場している企業をリスト化しましょう。
自分が働いている業界直結でなくても、これまで取引のあった企業や話をよくする企業もリストに忘れずに加えましょう。
リストが出来たら、それらの企業の業績を「株探」や「GMOクリック証券の分析ツール」などを使って洗い出します。
これらのツールについては、こちらの記事を参考にしてください。
企業分析ツールに関する記事
あとはご自分の投資スタイル(割安株投資、成長株投資など)に沿って、実際に投資する企業選びをしましょう。
私の場合は成長株投資が自分の投資スタイルですから、過去の数年間の業績の中で営業利益が伸び続けている企業を抽出します。
次のステップとして、企業のビジネスモデルの理解になるのですが、ここは自分の得意な業界なはずですから、ビジネスモデルの理解は比較的容易でしょう!
まとめ
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自分の本業に関わる得意分野の知識を使って銘柄選びをするのが投資初心者におすすめ
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フルタイムで働いて得られる知識の価値を低く見積もるべきではない
今回参考にした本はこちら