チョーコクです。
日経平均が2万3千円を突破してバブル後最高値を更新したりと、衆院選挙後から株価は上昇を続けています。
この一週間はボラティリティが大きく、私の保有銘柄もかなりの乱高下をしていました。
特に15日(水)は乱高下激しすぎぃ!
おはぎゃーならぬ、こんばんぎゃーだわ。
朝と夜でPFの評価額が全然違う(-。-;— チョーコク (@chokoku_J) November 15, 2017
朝に株価をチェックしたときには微増くらいのマイ株式たちだったんですが、仕事が終わってチェックしたら大暴落していて何が起きたのかと!
株怖い。。。
さて、今回は「ネットマーケティング(6175)」という会社を分析したので記事にまとめました。
目次
ネットマーケティングの概要
成果報酬型の広告代理事業で創業。メディア事業の恋愛マッチングサービス『Omiai』成長
四季報より引用
ネットマーケティングは今年の春にJASDAQに上場したばかりの新興企業です。
四季報の紹介にあるように、広告代理事業とメディア事業の二つを主事業としています。
広告事業は、アフィリエイトエージェントとして機能しています。簡単に言うと、顧客である広告主のインターネット広告展開の戦略立案と運用支援を行う事業です。
メディア事業は、恋活マッチングサービスである「Omiai」の運営を行う事業です。
経営方針としてのそれぞれの事業は以下のように発表されています。

「2017年6月期決算補足説明資料」より引用
広告事業は安定収益事業、メディア事業は成長事業として挙げられています。
つまりは、メディア事業、いや、「Omiai」の成長があるのかどうかがネットマーケティングの成長が実現するのかどうかに直結するといえます!
ビジネスモデル
広告事業

「2017年6月期決算補足説明資料」より引用
広告事業は、アフィリエイトをブログなどの各メディアに提供しているASPと、顧客である広告主とをつなげる事業となっています。
ネットマーケティングは、広告主の広告効果が最大になるように戦略立案と運用まで行うことで成果報酬という形で利益を得ています。
広告事業に関しては、売上規模と利益の多くを出してはいるものの、それほど大きな成長性は見られません。また、ビジネスモデルの強みという点でもあまり魅力は感じられないかなーと。
メディア事業

「2017年6月期決算補足説明資料」より引用
メディア事業は、恋活マッチングアプリ「Omiai」を運営する事業です。
まず、「マッチングアプリ」についてですが、簡単に言うと「アプリを通じて異性の出会いを提供するサービス」です。
マッチングアプリの多くは、Facebookアカウントによる会員登録を行っており、Facebook上に登録された写真を使って、顔出しで異性とのマッチングをするのが前提となっています。
昔の出会い系のイメージではない
Facebookは非匿名性を持ったSNSなので、マッチングアプリ上でもユーザー同士の情報がある程度オープンになることで、荒し行為が行われにくく、昔からあるインターネット出会い系とはかなり異なるイメージとなっています。実際に20代の知り合いなどに聞いてみても、悪いイメージは全くなく、
「マッチングアプリよく使いますよー。」
と普通にオープンに話してくれるところからも、ネガティブな印象はない模様。
海外、特にアメリカではマッチングアプリによる出会いがかなり浸透しているらしいです。日本でも、ここ数年急激にマッチングアプリが市民権を得ている印象があり、多くのサービスが登場しています。
その中でも、人気があるのが「Pairs」「タップル誕生」「Omiai」の3つのサービスでしょう。
それぞれのサービスの特徴はここでは省きますが、この中でも「Omiai」はかなり婚活に寄った恋活サービスといった立ち位置のようで、各サービス間でも微妙にユーザーニーズが異なるようです。(友人談)
料金体系と差別化要素
料金体系としては、
- 月額有料会員課金
- ポイント購入課金
の両方が存在しています。
マッチングアプリの目的は、異性と実際に出会う、ことですから、アプリ上でコミュニケーションをする必要があります。
相手のプロフィールを見るところまでは無料なのですが、コミュニケーションをとるためには、月額有料会員になる必要があります。
この月額有料会員によって支払われる会費が大きな収益源となっています。
マッチングアプリビジネスの良いところは、
- システム上の負荷がそれほど大きくなく、低コスト
- 月額有料会員を獲得して安定的な収益を得られる
というところにあると考えています。
一方で、マッチングアプリは競合の参入障壁が低いという特徴があります。
アプリ自体に技術的に高度なものが使われているわけではありませんから、開発コストは比較的抑えやすいです。
また、結婚相手を探す「婚活」、恋人を探す「恋活」、ラフな遊び相手を探す「デーティング」などユーザーニーズによってサービスのカテゴライズは可能ですが、同じカテゴリのアプリであればサービス設計は似たようなものになりがちであり、競合との差別化が困難です。
その中で差別化できる点とは、ずばり、
「会員が如何に多いか!=如何に良い人と出会えるか!」
というわけです。つまるところが優良な会員をどれだけ抱えているか、が競争力であり、参入障壁となるわけです。
特にネットを通じた出会いが市民権を得てきたとはいえ、始めるときの不安感はあるはずですから、わざわざマイナーな会員が少ないサービスを使うわけがないですしね。
そう考えると、上述の「Pairs」「タップル誕生」「Omiai」がやはりマッチングアプリの中でも頭一つ出て強い存在と言えます。今後もこれらのサービスを中心に市場規模は広がっていくのかと。
ちなみにマッチングアプリにはもうひとつ大きな特徴があります。
それは、
友人間での口コミによる広がりが起こりにくい!
ということです。
想像すると簡単な話で、自分がアプリを使ってまで恋人を探していることを友人には知られたくない、と考える人はやはり多いでしょう。また、ネットでの出会いにネガティブな印象を持っている人はいまだに多いですから、それも口コミをためらう要因になりえます。よって、口コミによる広がりが他のアプリに比べると発生しにくいという特徴があります。
そのため、マッチングアプリは広告に対する投資が非常に多くなりがちです。一種のチキンレースといってもいいでしょう。如何に広告投資を競合よりも厚く行うかがユーザー数に直結し、それが優位性になります。
業績

「2017年6月期決算補足説明資料」より引用
会社全体の売上と営業利益の推移です。
売上は右肩上がりながら、営業利益は2016年にはへこんでいます。この減益は広告事業における減益影響らしいですが、詳しい原因は分からず。

「2017年6月期決算補足説明資料」より引用
セグメント別でみると、メディア事業の売上と利益の割合が急激に増えていることが分かります。
また、メディア事業の利益率は10%を超えており、比較的高収益なビジネスとなっているようです。
成長性
ネットマーケティングの成長性はメディア事業の成長性と言えます。
私は以下の点でメディア事業(マッチングサービス事業)の成長性は高いと考えています。
- ここ数年でネットを通じた出会いのイメージが急速に良くなった(既存市場のパイ拡大)
- 「Omiai」は競争激しいマッチングアプリでも競争力がある(競争優位性の存在)
- デーティングカテゴリへの進出(新規市場への進出)
既存市場のパイ拡大
ここ数年で一気にマッチングサービスの市場環境は良くなってきています。
マッチングサービスに対する、「出会い系」のネガティブイメージは払しょくされつつあります。
これにより、市場に流入するユーザーの数が増えることが予想されます。
さらに、イメージの改善が、これまでは期待できなかった、口コミによる広がりを今後引き起こし、広告コストの削減につながることも期待できます。
競争優位性の存在
これは先述しました。
似たようなサービス設計になりがちなマッチングアプリにおいては、優良な会員が多いサイトに加速度的に流入が続く特徴があります。
その中で、「Omiai」は十分な会員数と実績を持っており、競争優位性は他の競合に比べても強いです。
実際、多くの競合がローンチされている現在においても「Omiai」のマッチング組数は順調に増加しています。

「2018年6月期 第1四半期決算補足説明資料」より引用
新規市場への進出

「2018年6月期 第1四半期決算補足説明資料」より引用
「Omiai」は、主に恋人を作ることを目的とした恋活市場向けサービスですが、今後はもう少しラフな出会いを目的とした、デーティング市場に対するサービスを展開開始することをネットマーケティングは発表しています。
デーティング市場においては、Tinder海外製サービスが圧倒的なシェアを有しています。日本でもある程度メジャーでユーザーは多くいますが、まだまだ浸透しきってはいない印象。これからここに食い込めれば、かなりの事業規模になるでしょう。
懸念としては、デーティングというラフな出会いが日本人の感覚にどれだけ会うのか、です。やっぱりまじめなお国柄ですしねー。
Facebookユーザー限定ではなく、全ユーザー向けにしていく流れは、おそらく若い世代でのFacebook離れに対する対策でしょう。最近の大学生はFacebookアカウントを持っていないことも多いですから。
ネットマーケティングの株価

株価はここのところボックス相場となっています。
ベンチャーキャピタルによる売却
今週ボックスの下限を破る展開となりましたがすぐに持ち返しています。ボックスを破って下落トレンドになるのかどうかのか、再びボックスに戻るのか、難しいところです。
この下落は、ネットマーケティングの大株主である、モバイル・インターネットキャピタル(MIC)による株式売却発表によるものです。
MICはベンチャーキャピタルとして上場前から株式を保有していましたので、その利益確定売りということでしょう。
まだ保有する株式が5%近くありますので、この売却が起きれば再度株価が下がる可能性は十分にあります。
VCは基本的に上場による株式の売却利益が目的ですからしょうがないんですがー。。。
割安さは普通
予想PERは、約25倍です。
過去の業績からすると割安ではありません。むしろ少し高め?
ただ、メディア事業の成長性に私は大いに期待するところですので、このPERもありかなと思います。
最後に
最後に買い判断するかどうか、なのですが、ちょい前に実は買ってたりします(笑)
ただ、まだ購入数量は少ないので、今後買い増しをするかどうかは株価の動きと業績によって判断したいと思います。
具体的には、ボックスの下限ブレイクを機にした下落トレンドが発生するようでしたら、ナンピンはせず、場合によっては損切りかなぁ。
逆に上昇に弾みがつく展開があれば買い増しでしょう。
私の愛読書。めちゃくちゃ参考にしています。