資産運用しているけど、どれだけのパフォーマンスを上げていれば順調なんだろう?
資産運用のゴールが見えない…
いつか来るかもしれない相場の暴落が怖い。
こんな風に思ったことないですか?
今回はその疑問に答えます。
ゴールから逆算して目標パフォーマンスを決める
運用パフォーマンスが高いに越したことはありません。
しかし、資産運用の世界では大きなリターンを得るにはそれに応じた大きなリスクを負う必要があります。
常識的なことのはずが、そこを忘れてしまっている人は多いのではないでしょうか。
私は特に好調な相場の時にこの感覚を忘れがちです。
強欲によって高過ぎるリターンを求めすぎると、一緒に高過ぎる資産目減りリスクを気付かないうちに負ってしまっているのであり、市場が荒れればリターンどころか逆に大きく資産を減らしてしまうことになります。
ですから、高過ぎるリターンを望むことは好ましくありません。
では、どのくらいが適切なリターンで、どうやって決めればいいのでしょうか?
答えは簡単で、最終的に投資をして、保有資産を「いつまでに・いくら」保有していたいかを元に逆算してパフォーマンスを決めてやれば良いのです。
例えば、50歳までに2億円貯めて仕事を辞めてセミリタイアする、ということをゴールにするのであれば、「50歳までに2億円」という感じです。
案外、目標を立てずに闇雲に突っ走って投資をしている人が多いです。
でもね…
この状態ってめちゃくちゃ危険ですよ。
自分でも気付かないうちにすごく危険な投資をしている。
自分では過大なリスクを取っている自覚が無いもんだから、相場が急落するとパニックになってギャンブル的なナンピンしたり、狼狽売りしてしまったりして傷口を広げてしまいます。
現在投資で勝っていても負けていても、冷静になって、「自分は何歳の時に、いくらあればいいんだっけ?」と考えてみましょう。
所詮投資はお金儲けが目的です。
そしてお金は使ってナンボです。
この「いつまでに・いくら」という問いは、「あなたは何のために投資をしているのですか?」という質問に等しいとも言えます。
「若いうちに大金稼いでキャバクラで遊びまくるんだ!」というゴール設計を描いている人と老後の安心した生活をゴール設計にしている人では取るべきリスクは当然変わってくるのは簡単にイメージできますよね。
ちなみにこの、いつまでに・いくらを設定する際には「どんな形で資産を保有しておくべきか」も意識しておくとより良いでしょう。
例えば、50歳の時点で2億円分の資産があるとしても、その資産が金(ゴールド)なのか、収益不動産物件なのか、によってだいぶ状況は変わります。
金はもちろん価値があるものですが持っていてもインカムゲインを生み出してくれません。
つまり、将来の収益を期待できない資産です。
対照的に収益不動産物件を持っている場合、賃貸収入というインカムゲインを生み出してくれるわけですから、将来の収益が大いに期待できます。
ですから、同じ時期に同じ資産額を持っていたとしても、その後の収入につながる資産かどうかによって、その後の生活の豊かさに影響を与えますから、それを加味することでより精密な必要な資産額とその時期が設定できます。
実際に目標パフォーマンスを逆算してみる
自分の投資のゴールは設定できたら、それに加えて、
- 現在の保有資産額
- 可能な毎月投資金額
を設定すれば準備完了です!
今回は例として次のようなケースを考えてみます。
現在の年齢 :30歳
保有資産 :1,000万円
毎月積み立て額:10万円
目標資産額 :15,000万円
目標達成年齢 :50歳
50歳時点で1億5千万円あれば中々の資産家といえるのではないでしょうか。豪遊生活は送れないでしょうが、退職金の額や持ち家の有無、家族構成によってはすぐに仕事をやめてリタイアすることも十分考えられるのではないでしょうか。
では早速このゴールを達成するために必要な年間パフォーマンス(利回り)を計算してみます。
といっても難しいことは何もありません。モーニングスターが提供している金融電卓を使えば一瞬で計算できてしまいます(^^)
こちらに先ほど作った数字を当てはめてやれば必要な年間利回りを計算してくれます。
そうすると、「10.3%」という数字が出てきました!つまり、毎年およそ10%の利回りを達成し続ければ目標としていた、50歳で1億5千万円の資産家になれるわけです。
必要なパフォーマンスが分かれば、債券投資で十分なのか、株式投資が必要なのか、不動産投資なのか、と言った戦略的なポートフォリオ構築が可能になります。
この戦略立てによって不要な高いリスクが回避できるようになるというわけです。
目標パフォーマンスは現実的なものか?
今回のケースでは年間利回り10%が目標パフォーマンスと算出されました。
これを眺めるだけでは意味がありません。
次にこの目標パフォーマンスの達成するのが現実的なのかどうか考えてみましょう!
実際、年間10%の利回りを20年間続けるのは結構ハードル高いです…
しかし、相当なリスクを負わないと達成できない基準でしょうが、不可能かと言われるとそこまでではないでしょう。
一方、目標パフォーマンスが20%を超えたら、20年間そのパフォーマンス水準を維持し続けるのは現実的ではないですね。
かの有名な投資家ウォーレン・バフェットですら、平均年間利回りは20%程度です。
そのバフェット以上の利回りを出す自信がないのであれば、目標設定を見直すことが賢明です。
見直し方は簡単で、
- 運用期間を延ばす
- 毎月の投資額を増やす
のどちらかです。
これが見えれば、「自分は投資額が足りないのか。だったら他の生活費を減らして投資額を増やそう」と言った、非常に前向きで建設的な対策が取れるわけです。
ぜひ自分の投資をやる目的の棚卸しとそれに向けた対策を洗い出してみましょう!
まとめ
- 高過ぎるリターンを求めることは高過ぎるリスクを負うことだと認識するべき
- 投資の目的を再確認すれば必要なリターン(および必要なリスク)は簡単に計算できる
- 必要なリターンが分かればリスクとリターンのバランスが良い適切なポートフォリオ構築が可能になる