むかーし、ブログでも少しだけ書いたのですが、以前実物不動産投資を検討していた時期がありました。
その時には、不動産投資系の本を読み漁ったり、セミナーに参加してみたり、不動産屋に行って実際の物件を見学しに行ったりを行っていました。
ここでいう不動産投資とは、REITといった投資信託による間接的な不動産投資ではなく、実際に不動産屋でアパートやマンションを購入して、家賃収入を得る投資のことです。
現在、REIT指数連動の投資信託を保有し、間接的には不動産投資を行っていますが、不動産購入による直接投資は検討中断しております。
ちなみに、当時不動産投資を検討していた時のブログはこちら。
不動産投資の検討をやめた理由
さて、当時検討していた時は、夢中になって不動産投資について勉強をして、様々な物件を見たりしておりました。
「掘り出し物の物件を見つけて、不労所得をゲットやー!!」
ってな感じで。
また、不動産投資は株式投資などよりも事業計画性が必要であり、キャッシュフローを強く意識する必要があります。
そういった知識を学ぶことができる点も非常に興味深かったです。
ただ、その後勉強すればするほど不動産投資への関心が薄れていくことになりました。
大きな理由は2つです。
- リスクの割に儲かりそうにない。
- わからないことがありすぎ、決断できない。
リスクの割に儲かりそうにない
不動産投資を少しでも検討したことのある人なら、あるあるだと思うのですが、表面利回りをそのまま利回りと最初勘違いをして、皮算用をしてしまうところから最初は入りました (笑)。
表面利回りとは、「年間家賃収入を不動産価格で割って計算した利回り」です。
ちょっと調べると、表面利回りは8 – 10 %という高利回りっぽい物件はごろごろ出てきます。
しかし、世の中それほど甘くなく、その後、ちょっと勉強すると表面利回りは幻想であり、実際には家賃収入の中から、様々な、本当に様々な支出が生じるため家賃収入がそのまま自分のものになるわけではないことが分かります。
例えば以下のようなものが支出として挙げられます。
- 不動産取得経費(仲介手数料、消費税、不動産取得税 etc)
- 管理費、清掃費、光熱費
- 固定資産税
- 都市計画税
- 所得税
- ローン利息
- 広告費
- 修繕費
ざっと思いつくものだけでもこんなに。
多くの不動産投資の指南本は、流石に表面利回りを鵜呑みにしてはいけない、と書いてありますが、せいぜい管理費やローン利息についての言及があるくらいで、税金や広告費、修繕費までを加味した長期的なキャッシュフローを計算することを指南している本はあまりありませんでした。
特に税金のインパクトはめちゃくちゃでかいので、不動産投資を検討する方は税金についての考慮をお忘れなく!
さて、これらの支出に加えて、収入自体が減る要因もあります。
- 空室リスク
- 家賃下落リスク
ということで、上記の支出や収入減のリスクをすべて考えて計算すると、相当安く不動産を購入できないとキャッシュフローがマイナスになることが分かります。
黒字でエグジットできるのはほとんどの物件で不可能であると分かってしまったというわけです。
特に、現在もそうですが、熱心に検討していた頃はゼロ金利政策が始まったばかりで不動産価格の高騰が叫ばれていた真っ只中!
多くの不動産投資家の方々が、「掘り出し物の物件が少なくなった!」と発信しており、私のような不動産屋とのコネクションも薄く、いい物件情報が回ってこない素人には割高な物件ばかりが来ていたのもうなずけます。
ということで、私の出した結論としては、
「ほとんどの物件が将来的に利益をもたらさず、行うに値しない!」
となりました。
もちろん、掘り出し物の物件情報をいち早く手に入れられる情報網やフットワークを持っている方であれば、どんな市況でも儲けることができるのだと思いますが、私には難しく感じました。
わからないことがありすぎ、決断できない
同様に大きかった問題はこれ。
ぶっちゃけ、計算上は良さそうな物件があったとしても、
「本当にこの物件は大丈夫なんだろうか?」
「不動産屋の口車に乗せられて、やばい物件をつかまされるのではないか?」
といった疑念を払しょくすることができませんでした。
本やネットで不動産投資に関する知識をいくらかき集めても、実際に不動産運営を行ったことがないので、予測することができないことがありすぎるんです。
それが不安感につながるんです。
なので、どんな物件がいい物件で、どんな物件が悪い物件なのか、の自信を持った判断を持つことができず、最終的な決断ができなかったわけです。
おそらく、
- 信頼のおける相談相手がいる。
- 決断力がある。
のどちらか、または両方がないと不動産投資はできないのだと思います。
特に前者の相談ができる相手を見つけるのはものすごく大事だと思います。
株なら数万から数十万あれば投資できますし、失敗してもたかが知れているので、経験を積みながら少しずつ規模を大きくすることができますが、不動産は株と違って小さく初めて小さく失敗というのが難しく、始めから数千万円の投資になることがほとんどですから、失敗は許されません。
特に、最初の不動産投資でしくじると、その後の融資が難しくなり、息詰まる可能性も高いですから。
最後に
決して不動産投資を否定しているわけではありません。
ですが、株や投信と異なり、知識のみではなく、信頼のおけるパートナーやフットワークの軽さ、事業計画力といった様々な要素を持ってこそ儲かるものであり、決して世の中で思われがちな、「楽して不労所得ができる!」といった投資ではないです。
またいつかは不動産投資の検討に再度挑戦してみたいとは思ってます!
不動産投資にもたくさんのメリットがありますからー。