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株式投資のパフォーマンス悪化があって、不動産投資へとポートフォリオ変更(現実逃避)を検討し始めたチョーコク。
早速、昔仕入れた知識に則って、馴染みのあるエリアで築古一棟アパートを探し、不動産の仲介業者にめぼしい物件の問い合わせを行いました。
目次
新築アパート投資をすすめられたんだが?
問い合わせをした仲介業者のオフィスに足を運ぶと、これまでに見たどの不動産会社よりも綺麗なオフィスで若干好感度アップ!
いままで行った不動産会社のオフィスは結構怪しげな(失礼)雑居ビル風なオフィスが多かったので、それに比べると路面に面していて非常に入りやすい雰囲気のオフィスで驚きました。
到着して担当者と軽く自己紹介や資産背景について挨拶を済ませ、早速私が問い合わせをした築古物件の説明をしてもらおうかな…と思っていたら、、、
不動産担当者T「実はチョーコク様にいくつかご紹介させていただける物件をご用意しておりまして〜」
と、2件ほど物件の資料を見せてくれました。

なんて用意がいいんだ!とさらに好感度が上がる私。単純なんで(笑)
用意してもらった資料を見てみると…、
見事に新築アパートの物件情報ばかりでした。
過去の記事でも書いた通り、当時私が新築アパートについて調べた限りだと
- 新築アパートは新築プレミアムが家賃に乗っているので数年持つと直ぐに家賃が減って利回り下がるから危険!
という考えでしたから、「新築アパートへの投資なんてとんでもない!」と考えており、一気に「この不動産屋大丈夫かな?」というモードになってしまいました。

とはいえ、新築アパート投資をなぜすすめるのか、を話だけでも聞いてみることにしました。
新築アパート投資のメリット・デメリット
不動産業者から聞いた内容とその後学んだ知識を踏まえて、新築アパート投資のメリットとデメリットについてまとめてみます。
メリット
- キャッシュフローが黒字になりやすい
- メンテナンス費用がかかりにくい
- 目利きによる大きな失敗がしにくい
- 空室リスクが少ない
デメリット
- 建物価格が高く、利回りが低い
- 完成前の物件なら全室空室からのスタートなので最初はゼロ収入になる
- 家賃設定の見積もりが難しい
- 債務超過になる可能性がある
メリット

新築アパート投資のメリットについて解説します!
① キャッシュフローが黒字になりやすい
キャッシュフローを出すのに一番効果的な方法は、銀行からの借入期間を長くすることです。
銀行の融資借入期間の基準は各金融機関によって様々で、決まったものはありませんが、各金融機関で共通して基準となるのが建物の法定耐用年数がどれだけ残っているか?です。
逆にいうと、法定耐用年数がたくさん残っている、つまり築年数が新しい物件の場合は、長い借入期間の融資を積極的に行ってくれます。
新築木造アパートの場合、銀行によっては30年や35年といった長期の融資を行ってくれます。
長期で融資を受けることができれば、当然1年あたりに返済する金額は少なくなるので、返済比率(家賃収入に対する返済額の割合)が小さくなり、キャッシュフローは大きくプラスになりやすく、より安全な運営が可能になります。
また、法定耐用年数が長いと、建物の減価償却年数も長く設定できますから、長期にわたって節税が可能です。
その結果、減価償却費が切れることで起きるデットクロス に陥りにくくなります。
② メンテナンス費用がかかりにくい
新築の場合、当然建物が新品ですから老朽化によるメンテナンス費用は当面は不要になります。
木造の新築アパートの場合、だいたい10年くらいは大したメンテナンス費用をかけなくても運営していけるそうです。
また、新築の場合、建築会社による建物の保証が10年付きますから、最悪何らかの不具合が建物に見つかったとしても、建築会社にその保証をしてもらえるメリットがあります。
③ 目利きによる大きな失敗がしにくい
中古アパートの場合、前オーナーがどの程度のメンテナンスを行っていたか?や住んでいた住人がどれくらい丁寧に使っていたか?などによって建物の痛み具合は全く異なります。
ですから、中古アパートの場合、購入時の建物の状態によって価値が大きく変わってしまうため、どのくらいの痛み具合だったらどのくらいの修繕費用を見込むべきなのか?、どのくらいの価格だったら買いなのか?といった判断ができるようになる必要があります。
さらに、満室アパートの場合、住人が住んでいる部屋の中までを購入前に確認することは難しいので、部屋の中の痛み具合を確認せずに購入するかどうかを判断する必要があり、そこも築古(中古)アパートならではのリスクと言えます。
築古アパート投資を得意とされている投資家の方達は、こういった価格付けの難しさを逆手にとって、積極的に価格交渉をしてお買い得な不動産物件を見つけているようですが、素人がいきなり手を出すのも難しいでしょう。
④ 空室リスクが少ない
新築の物件は入居者に好まれるため、空室リスクは築古物件に比べて低くなります。
デメリット

一方、新築アパート投資のデメリットです!
① 建物価格が高く、利回りが低い
新築アパートは築古アパートに比べて賃料を高く取れますが、それ以上に建物価格が高いため、表面利回りが低くなりがちです。
先ほど説明したメリットがある分、新築アパートは築古アパート投資に比べればリスクが低いです。
リスクが低いということは、その分リターンも低くなっているというわけです。
また、最低購入価格が高くなりますから、地雷物件を買ってしまった時、致命傷になり得るというリスクがあります。
② 完成前の物件なら全室空室からのスタートなので最初はゼロ収入になる
新築アパート特有のデメリットとして、全室空室からのスタートであることがあります。
入居者はアパートが完成する少し前から募集を開始しますが、購入時には誰も入居者も入居予定者もいない状態から始まることがほとんどです。
ですから、全室空室の状態から入居者を集める必要があり、入居者が集まらないリスクが存在します。
入居者がゼロでも銀行からの借入金の返済は発生しますから、ある程度の資金的な余裕がある状態から始めないと借入金の返済がいきなり滞ってしまいかねません!
③ 家賃設定の見積もりが難しい
不動産仲介が紹介する新築物件の場合、各部屋の想定賃料(入居者から取れるであろう賃料の予想)を使って表面利回りを設定しています。
ですが、この想定賃料が実際の相場よりも割高に設定されていて表面利回りが実力以上に大きくなっていることがよくあります。
購入した後に、期待した賃料で入居者を募集しても入居者が入らない!ということがありますから、仲介業者が設定した想定賃料は参考程度にして鵜呑みにしないようにしましょう!
では、どのように実際の賃料相場に近づけるかといいますと
- ホームズやスーモで周辺の類似物件の賃料相場を調べる
- 地場の不動産賃貸仲介(エイブルやミニミニなど)にヒアリングをする
- 地場の不動産賃貸仲介に賃料見積もりを作成してもらう
このようなやり方があります。
つまり、自分で想定賃料を調べてやる必要があり、ここのミスがリターンに直結しますからリスクとなり得るということになります。
④ 債務超過になる可能性がある
債務超過とは、所有する資産よりも負債の方が大きい状態のことです。
新築アパート投資では、債務超過の状態になってしまい、次の銀行融資が受けられなくなってしまうリスクが築古アパートよりも大きいです。
その理由を解説していきますね。
不動産物件の価格はざっくりいうと、「建物の価値 + 土地の価値」で決まってきます。
土地の価値は時間が経っても古くなりませんし変わりません。一方、建物は時間が経つと古くなってその価値はどんどん下がっていきます。
新築アパートの場合、築古アパートよりも不動産価格の中で建物の価値が占める割合が高いですから、新築アパートの方が、資産価値の下落速度が高くなります。
価値が下がることによる経費が減価償却という形で節税に繋がるわけですが、いずれにしても資産価値は下がっていくことに違いはありません。
特に木造アパートの場合は、鉄筋コンクリートマンションと比べると耐用年数が短く、建物価値が下がる勢いが大きいです。
一方、年月が経つにつれて銀行からの借入金(負債)の返済も進んでいきます。
ここで貸借対照表(バランスシート:B/S)の観点で考えてみると
時間が経つにつれて…
建物の価値が減る → B/Sの資産が減っていく
借入金が減る → B/Sの負債が減っていく
B/S上の純資産が本当の意味での資産になりますが、純資産は「資産 ー 負債」ですから、建物の価値が減るよりも借入金が減る速度の方が早ければ純資産が増え、逆に、建物の価値が減る速度の方が借入金が減る速度よりも早ければ純資産が減り、いずれ債務超過の状態に突入します。
先ほど説明した通り、新築アパートの方が築古アパートに比べて「建物の価値が減る速度が速い」ため、新築アパートの方が債務超過になりやすいというわけです。
債務超過になると基本的に銀行は融資をしてくれませんから、所有する不動産を増やしてキャッシュフローを増やしたいと考えている投資家にとっては致命傷と言えますね。
まとめ
新築アパート投資のメリットとデメリットについて解説しました。
基本的には、新築アパート投資の場合、収益のブレとなるリスクである、メンテナンス費用の発生リスクや空室率のリスクが少なく、新築アパート投資は将来の収益予想がしやすいため、ローリスクローリターンのイメージでいいと思います。
一方で、物件価格が中古物件に比べると高額ですから、失敗した時に人生を狂わすレベルの致命傷になり得るということは忘れてはいけないです。
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さて、全く検討の選択肢に入れていなかった新築アパート投資を提案されたチョーコクですが、メリットも見えてきた今どうするのか?
次回記事、少々お待ちください。
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