私の運用資産は大きく二つに分かれています。
一つは個別株投資用の資産。もう一つは投資信託やETF積立投資用の資産です。
いわゆるコア・サテライト戦略というやつです。
私の個別株投資戦略は成長株への投資を基本としている一方で、積立投資枠ではインデックス投信に毎月一定額を投資しています。
ですから、2017年のように成長株の株価が大きく上がるような市場環境では、個別株投資に全力投資した場合よりもリターンは少なくなってしまいます。
しかし、株価が軟調だったり、個別株投資の戦略が上手く市場の流れと噛み合わず、思うように利益を出すことが出来なかったとしても、積立用資産は値動きが成長個別株に比べるとゆったりですから、一定のリターンや損失に限定することが出来、全資産のリスクを抑えることが出来ます。
積立投資用資産では、投資関連本の中でも最も有名で人気のある本の一つである「ウォール街のランダム・ウォーカー」と「株式投資の未来」
に則り、株式を中心としたインデックス投資信託をベースとしながら、一部、ひふみ投信のようなアクティブファンドを取り入れています。
これらのファンドを毎月決まった日にちに購入を繰り返しています。そこに売買判断は入らないため、まさに「思考停止型資産運用」と言えます。
そんな思考停止型資産運用枠ですが、私は年に2回だけ投資信託間の評価額を調整するためのリバランスを行なっています。
リバランスによってパフォーマンスを最大化することができるからです。
リバランスとは、なにか?
毎月定額で一定の割合で複数ファンドにの積立投資をしていたとしても、それぞれのファンド評価額はその運用成績によって異なります。
これにより、自分の想定していた理想の資産配分から乖離してしまいます。
リバランスとは、理想の資産配分割合よりも上がったものを売り、下がったものを買うことで資産配分割合を理想のものに戻してやることを言います。

SBI証券より引用
リバランスをしないと自分の想定していたよりもリスクを取り過ぎたり、逆にリスクが少な過ぎてリターンが十分でなくなってしまったりします。
例えば、株式に50%、債券に50%を投資するポートフォリオを組んでいたはずが、株式が大きく伸びて、所有評価額が株式75%、債券25%になった場合、より値動きが激しくリスクが大きい株式の割合が大きくなることでリスク過多なポートフォリオになってしまっていることが分かります。
これをリバランスする事で、適切なリスクとリターンの関係を維持できる、というわけです。
これも、「ウォール街のランダムウォーカー」の教えの通りです。
リバランスのやり過ぎはパフォーマンスを下げる
積立投資に対して、理想の資産バランスに戻すリバランスは、長期的にはパフォーマンスを上げることが知られています。
なぜなら、リバランスは高いものを売り、安いものを買うという投資の基本を機械的に行うことを意味するからです。
しかしだからと言って、毎月のようにリバランスを保有資産に対して行うことは逆にパフォーマンスを下げることになります。
理由としては、
- 売買頻度が上がり、手数料コストがかさむため
- 資産のトレンドに乗れないため
です。
長期の積立投資では売買の度にかかる取引手数料コストは馬鹿にできません。
コストを最小化することは長期投資でのパフォーマンス向上に必須ですから、できるだけ取引回数は少なくすることが望ましいです。
毎月リバランスをすることは、そのプラスの効果以上にマイナスの効果を大きくしてしまいます。
また、金融資産は常にランダムに価値が動いているのではなく、トレンドを形成します。
リバランスは、高いものを売り、安いものを買うという、逆張り投資の手法です。
金融資産がトレンドを形成して上昇しているときには、得られたであろうリターンを減らしてしまう結果となります。
この点からもあまりにも高頻度なリバランスは避けるべきです。
「ウォール街のランダムウォーカー」によると、年に1, 2回程度のリバランスがパフォーマンスを最大化すると書かれています。
毎月やるのはそもそも手間ですし、このくらいに押さえておきましょう!
さらに詳しいことは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」に書いてありますので、ぜひ一度読んでみることをオススメします!