四季報でチェックしていた銘柄の分析を続けています。
四季報にてチェックしていた銘柄については、以下の記事にてリスト化して記述しております。
よろしければご覧ください。
今回はレントラックス(6045)の分析です!
この企業も他の四季報チェック銘柄と同様に、非常に高い成長性を持っている企業となっています。
ビジネスモデル
レントラックス<6045>はアフィリエイト(成果報酬型)広告サービス事業を主力に、子会社が検索連動型広告代行事業も手掛ける。クローズド型サービスが特徴で、それが競争力強化、毎期の高成長につながっている。
(モーニングスターレントラックス、「クローズド型のサービスが強み」より)
クローズド型サービスとは、アフィリエイターを審査し、審査を通過したサイトに対してリクルートすることでのみ広告提供をするということのようです。つまり、誰でもレントラックスの提供するアフィリエイト広告を出すことは出来ないということです。
アフィリエイターから見ると、高い報酬が得られる広告を入手することができる。
広告主から見ると、集客力の高いサイトにリーチできる。という双方のメリットがレントラックスの強みのようです。
ASP業界の成長性
アフィリエイト広告をアフィリエイターに提供するASP業者は数はかなりの数存在します。
簡単に調べただけでも数十社の業者があるようで、大手としては、A8を運営するファンコミュニケーションズ(2461)やJANETを運営するアドウェイズ(2489)があります。
また、国内アフィリエイトの市場規模は成長傾向にあり、およそ年率15%程度で成長しており、今後も市場成長の見通しは明るいと予想されています。
国内アフィリエイト市場規模推移と予測
(矢野研究所・アフィリエイト市場に関する調査を実施(2016 年)より引用)
ちなみに2016年の見込みで、2,000億円規模なのですが、レントラックスの2017年決算の売上予想は76億円なので、市場シェアは約3.8%のようですね。
レントラックスの成長の要因
レントラックスの過去の売上成長を見ると、市場の成長率より圧倒的に急激な勢いで成長していることが分かります。
(レントラックス・2017年3月期 第2四半期決算説明資料より引用)
他の競合となる大手ASP業者と比べても売上成長率は圧倒的に高いです。
では、レントラックスはなぜ高成長をすることができているのか?
また、今後もそれを維持できるのか?について考察します。
ASP業者にとって、効率的に広告売上をあげてくれるアフィリエイターを囲い込むことは非常に重要な仕事です。広告収益をアフィリエイターがあげることで、ASP業者は広告主から報酬を受け取ることになりますから。
つまり、ASP業者として成功できるかどうかはアフィリエイターを惹きつけるサービスを提供できるかどうかに等しいはずです。
特に、レントラックスは完全成功報酬制を採用しているため、アフィリエイターが広告売上をあげなければ、1円もレントラックスには入ってきませんから。
私は、良質なアフィリエイター(高売上を出すアフィリエイター)獲得を以下のの2点でレントラックスは実現していると考えています。
- 完全成功報酬型モデルによって、高い報酬単価の広告を集められる。
- クローズドASPによって、アフィリエイターと密な関係を築ける。
アフィリエイターから見ると、同じ広告案件なら高い報酬単価で提供してくれるASP業者を選ぶはずです。
以下記事でも、レントラックスが他のASP業者に比べて報酬単価が高いことが書かれています。
しかし、単なる報酬額の多い少ないであれば、レッドオーシャンでの値上げ競争に巻き込まれるだけです。
そこで、レントラックスではクローズドASPにリソースを注ぐことで、優良アフィリエイターへの営業活動や、囲い込んだアフィリエイターとの人的なつながりを積極的に行っているようです。
売上を生み出さないアフィリエイターの相手をするのは、コストばかりかかっていいことがありませんからね。
レントラックスは今後成長する?
では、今後もこの成長を維持できるのかについてですが、今後もしばらくは成長すると思いますが、成長率は下がる可能性が高いと考えます。
以下にその理由を考察します。
レントラックスが出している月次報告書によると、2016年11月時点で売上は590百万円、アフィリエイターは18,047人です。
アフィリエイト以外の売り上げも混ざっていると思うので、売上の9割として、アフィリエイター一人当たりの売上は、29,423円となります。
アフィリエイター人口は、2010年時点で400万人程度いたようです。
今はもっと増えていると思うので、500万人と仮定します。
また、3万円以上の売上がある人は、全体の4%らしいので(http://www.japan-affiliate.org/news/survey2015/)、レントラックスのターゲットとなるアフィリエイターの市場人口は、20万人と推測します。
つまり、現在、月3万円以上の売上を持つ優良アフィリエイターの 9%近くのシェアを持っている可能性があります。
市場成長に伴い、この層も同時に厚くなると思いますが、市場以上の成長を維持するには、この層のシェアも拡大することが必要です。しかし、二けた以上のシェアを今後開拓するのは中々難しそうですね。
(他の競合も、旨味の大きい優良アフィリエイターを獲得しに来るはずなので。)
そうなってくると、売上を増やすにはレントラックスとしてもコストのかかる中級アフィリエイターを相手にする必要があり、利益率も下がる可能性が高いです。
結局買い?
成長性についてネガティブな要因を述べましたが、現在の株価は競合のファンコミュニケーションズやアドウェイズに比べて、PERは決して割高ではありません。
むしろ、レントラックスの現状成長率を加味すれば割安だと考えています。
よって、今後2-3年のスパンであれば買いというのが、今回の結論です!
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