【決算確認】ベクトル(6058)の2019年第2四半期決算を読み解く

ベクトル 企業分析

今週はかなり株が動いた一週間になりました。

私のポートフォリオ上でも、かなり含み益が出ていた「元気寿司」と「ワークマン」がほぼ買値の状態にまで落っこちてしまいました。

気を取り直して、先日10/22に発表された「ベクトル(6058)」の第2四半期決算について分析したいと思います。

 売上・経常利益は急成長するも、営業利益は小成長

業績

 

決算書を見てみます。

売上、経常利益ともに前年ほどではないにしても、前年比+40%超の成長をしています。

高PERに見合って相変わらず急成長していることが確認できます。

それに対して、営業利益は前年比+11%と成長はしていますが、その成長幅は大したことがありませんね。

 

営業利益以外は大幅成長している…

 

考える人

これは良い決算なのか?

 

ということで、

チョーコク
決算内容が及第点かどうかは、会社の今期業績予想を確認しましょう!

 

会社予想

 

こちらは、2019年第1四半期決算書に記載されていた内容で、第2四半期の会社予想に黄色いマーカーを引いてみました。

この数字と今回発表された第2四半期決算の実績を比較すると、

 

売上:会社予想達成!

営業利益:会社予想未達

経常利益:会社予想達成!

純利益:会社予想達成!

 

こうなっていることが分かります。

やはり、営業利益の成長幅は想定よりも低く、この点は悪い決算内容と言えるわけです。

では、なぜこのような決算になってしまったのか決算書を更に読み解いていきましょう。

 

経常利益は投資利益によって上昇しただけ

営業利益だけが売上や経常利益に比べて圧迫されている原因は何なのかを調べるために、損益計算書を見てみます。

 

営業利益と経常利益の違い

 営業利益 = 売上総利益 - 販売費及び一般管理費

 経常利益 = 営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用

となり、営業利益が「本業から得られる利益」、経常利益が「本業から得られる利益+貸付金の利息利益や有価証券売却益といった本業以外から得られる利益」となります。

 

損益計算書

 

小さくて見にくいかもしれませんが、注目すべきポイントを黄色くしました。

まず、先ほど書いた通り「売上」は十分な成長をしていることが分かります。それに伴い、「売上総利益」も上昇しています。

一方、「販売費および一般管理費」というコストが増加したことで、売上の上昇分をほぼ食い尽くしてしまい、結果的に「営業利益」を圧迫していることが分かります。

次に、なぜ経常利益は十分に増えていたのかというと、「営業外収益」が大幅に上昇しているためです。具体的には「投資有価証券売却益」と「投資事業組合運用益」による収益が増えている、つまり資産運用益が出たことによって経常利益が増加していたといえます。

つまり、残念ながらベクトルの今期利益は本業であるPR事業の伸びによって形成されたものではなく、継続的な利益を生み出し続ける強いビジネスモデルによるものではないといえます。

 

PR事業の不調が営業利益を圧迫している

ではなぜ営業利益が伸び悩む、いいかえると、売上の伸びが販管費の伸び以上に伸びなかったのか?

その答えも決算書に書いてありました。

PR事業においては、戦略PRの分野を中心にひきつづき堅調に推移しました。一方、Webメディアを含むコンテ ンツマーケティング分野の事業が当セグメントに含まれておりますが、検索エンジンの表示順位変更等の影響により Webメディアの広告収入が想定を下回り、当セグメントの当第2四半期連結累計期間における営業利益が前年度を下回る結果となりました。

「ベクトル・2019年第2四半期決算書」より引用

 

ベクトルの主力事業がPR事業ですが、PR事業が検索表示順位の影響を受けて不調であるということです。

つまり、Googleの検索順位アルゴリズムの変動で利益が減ったと。

 

怖い

Google怖えー!!

 

Googleの検索順位アルゴリズムひとつで、業績にこれだけ影響を与えるとは…。さすがはGoogle。

事業の肝になる部分を他人のプラットフォーム(この場合はGoogleの検索エンジン)に依存するっていうのはやはりリスクになりえますね。

メディア事業ではアクセスユーザーを集めてなんぼで、その集客にGoogle検索エンジンは欠かせませんから、不可避なリスクと言えそうです。

 

でも疑問が残ります。

検索エンジンの検索順位が変動したことによるメディアの広告収入が減ったことが営業利益の圧迫の原因だとしたら、同時に売上も圧迫されているはずです。

しかし実際には売上は十分に上昇しています。

ここは推測になりますが、売上の上昇はメディアへの集客のために広告費を投入することによって、無理やり集めた売上なのかもしれません。そうだとすると、売上は上昇しますが、広告費(販管費)負担が増えますから営業利益が圧迫されることになります。

 

チョーコク
これ以上の情報は決算書からは読み取れなかったのが残念です。

 

いずれにしても、ベクトルの本業であるPR事業のビジネスモデルに影響に何かしらの変動が起きている可能性があることは間違いありません。

 

決算内容を市場はネガティブに評価

ベクトル・チャート

 

こちらはベクトルの日足チャートです。

第2四半期決算発表があった翌日である赤矢印の日に、大きく窓を開けて下落しているのが見て取れます。

市場としては、営業利益の予想未達がネガティブな要素として株価を下落させたようです。

主力のPR事業が、検索アルゴリズムの変動という、自社ではどうしようもない外的要因によって伸び悩んでいるので、過去数年ベクトルが出してきた急成長を維持することが難しいと市場は判断したということでしょう。

 

私としても、今回の反応は仕方ないかなと思っています。タイミングが悪いことに、現在は株式市場全体が不安定ですから余計投資家は過敏に反応したのかもしれませんね。

 

しばらく様子見

ベクトルの株を今は持っていませんが、今回の決算内容を受けての私の判断は、

様子見!

です。

 

ベクトルは通期業績予想を下方修正していませんが、現状のままだと達成は難しい可能性が高いためです。

また、ベクトルの株価はこの決算で下がったとはいえ、過去最高値圏ですからもう少し様子を見て見ようと思います。

 

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