2017年11月にZOZOSUITがスタートトゥデイから発表されて、そのビジネスについての考察記事を書くくらいに注目していました。
ZOZOSUITってなんですか?という方はまずはこちらの記事を御覧ください。
発表直後の2017年の年末に注文して時が立つこと8ヶ月…
ようやく…ようやく私の手元にZOZOSTUITが届きました!
ゾゾスーツついに来たーー!
ワクワク(^^) pic.twitter.com/NSk85faORA— チョーコク (@chokoku_J) July 15, 2018
嬉しさのあまり日経ヴェリタスと一緒に記念撮影をパシャリ。
ZOZOSUITは無料で配布しており、これを着た状態でスマホアプリを使って写真を撮ることで、ZOZOSUITに付いているマーカーをセンシングして自動的に体型を計測してくれます。
まさに近未来的!新しいもの好きとしてはこの上なくワクワクします。
体型を計測したあとはZOZOTOWNで自分に最適なサイズの洋服を提案してもらえるというわけです。
スタートトゥデイ目線からすると、ZOZOSUITを無料配布したとしても、利用者のサイズを把握して、オーダーメイドのようなベストサイズの洋服を安価に提供することで、利用者の満足度を高め、LTV(顧客生涯価値)を上昇させて儲けるというビジネスモデルになっているわけですが、肝心のZOZOSUITを利用した体型計測が案外難しくて心が折れる、というレビューも目にしておりました。
つまり、ZOZOSUITが普及するかどうかはZOZOTOWNの今後の売上成長、そして、スタートトゥデイ社の成長をブーストさせるかどうかの重要な要因でもあります。
ですから、ZOZOSUITが老若男女やITリテラシーの低い人にも簡単に計測できるか?の観点で今回はレポートしていきます!
目次
早速開封して付属品を確認する

早速開封してみます。


開封すると、ZOZOSUITと一緒に1枚ペラのマニュアル、そして計測の際に使うスマホスタンドの厚紙が同封されていました。
体の計測には体の写真を何枚も撮る必要があるのですが、一人でも撮影できるようにこのようなスマホスタンドが付属されています。
マニュアルを見てみるとZOZOTOWNアプリを開いて、「計測をはじめる」ボタンを選ぶように書いてあります。
ちなみにZOZOSUITの注文はZOZOTOWNアプリからしかできませんから、ほとんどの人は既にZOZOTOWNアプリはスマホに入っている状態でしょうから、ここでの離脱はなさそう。
ZOZOTOWNアプリを開いて、ZOZOSUITを着る
マニュアルの通り、ZOZOTOWNアプリを起動して「計測をはじめる」ボタンから計測を行います。

ZOZOSUITを着るように指示が出てきて、動画形式で非常に丁寧にZOZOSUITを着る際の注意点を説明してくれます。
文字での説明では理解するのは難しいと思いますが動画で説明してくれているので誰でも簡単に正しくZOZOSUITを着用できそうです。
さて、早速着てスタンバイします!

あとは基本的にはZOZOTOWNアプリの指示の通りにカメラ撮影を行えばOK!
なのですが、スマホを固定させるスマホスタンドを置く場所が結構シビアなようで、スマホをスタンドに置いて自分に向けておいても、「正しく設置されていません」と何度もエラーとなりました…
結局よくわからず何度も試行錯誤して向きを調整していたら進むことが出来ました。謎…
スマホスタンドを高さ70センチくらいのテーブルに置いて撮影することが推奨されていますが、ちょうどいい高さのテーブルがない家だとかなり面倒なことになりそうです。
我が家ではちょうどいい高さのテーブルあったのですが、それでも苦労しました。
ZOZOSUITを着用した状態で撮影開始
スマホを固定してカメラを自分に向けたら撮影開始です。
撮影の間、指示はすべてアプリから出る音声で行われます。
まずはカメラの方を向いて正面の写真を撮影し、そこから体を1周させるように少しずつ向きを変えながら12回撮影を行います。
12回の撮影が多少時間かかって面倒ですが、それでも2,3分で終わった気がします。
12回分の撮影が終了したら「計測中」の表示がアプリ上に表示されます。ワクワクドキドキしながら待っていると…

なん…だと…
計測失敗…
撮影中は特にエラーっぽい案内も何もなく、順調だったので、「ZOZOSUITの計測で苦労するとか聞いてたけど全然余裕じゃん!」と余裕ぶっこいていたらこの始末。
(このクソ暑い中、全身真っ黒のタイツ着させられて多少イラッとしがらも)しょうがないのでもう一度最初から撮影をします。
ただ、エラーになった原因が全く良くわからなかったので、最初からやり直すにしてもかなりの不安感はありました。ここで離脱する人もいるかもなぁとは感じます。
二度目の撮影で計測成功
まただめだったらどうしよう、と思いながら二度目の撮影を終えました。
しかし、二度目はすんなり成功!ようやく体型データを取得することが出来ました!

一応サイズの詳細はモザイクを(笑)
こんな感じでかなり細かい部位まで計測をしてくれます。足の長さもバレてしまうんですね。
これを見た印象としては「ダイエットとか体型維持に使えるな」という感じ(笑)
計測結果画面の下部にあるボタンから直接、計測データを使ってスタートトゥデイのPBであるZOZOの服を買うことができるので、計測→ベストサイズの服購入の導線が自然に配置されています。
ZOZOSUITの計測難易度はまだまだ高い
今回ZOZOSUITを使って体型計測を行ってみました。
所感としては、「ZOZOSUITの到着→計測→服購入」の流れは非常によく練られており、これ以上無いほどのユーザー体験が設計されているなぁといったところ。
例えば、ZOZOSUITの計測手順が動画で説明されたり、撮影中は画面が見られないので音声でガイドしてくれたりと、
また、途中で迷うような分岐もなかったので、ほとんどの人が指示の通り一直線の流れに乗って計測が可能でしょう。
一方で、計測が失敗するケースはかなりあるようです。
私も今回撮影するためのスマホの置き場所で結構手間取りましたし、撮影をしたあともエラーになって行き詰まりました。
私のケースでは二回目の撮影で成功しましたが、まだ良い方らしく、同じようにZOZOSUITを試してみた友人は心折れそうになりながらも、何度も試行錯誤しながらようやく計測できたとのこと。
私も友人もエンジニアで、ITリテラシーは一般的な人よりもずっと高いわけですが、それでも計測のハードルは高いですね。
また、私は新しいもの好きなので、一度や二度計測に失敗して時間がかかったとしても “頑張って” 計測成功までチャレンジするでしょう。しかし、普通の人にそこまでの情熱と粘り強さを期待するのは困難です。
ZOZOSUITは無料で配布されるものですから、「どうせ無料でもらったものだし、めんどくさいからもう良いや。」となってしまうのが関の山でしょう。
しかし、逆に言うとこの問題点は現行の計測精度によるものです、ZOZOSUITはまだ市場に出てから1年も経っていない新しい技術ですから、それを考えると十分に素晴らしいクオリティであることは間違いありません。
市場の計測結果やフィードバックをもとにした改善は今後繰り返され、計測エラーは間違いなく少なくなるでしょうから、中長期的には問題にならないと考えます。
計測結果から提案される服のサイズは適切なのか?
計測結果をもとに提案されたTシャツを早速注文してみました!
まだ届いていないので、実際に来てみて自分の体にどれだけフィットした服が来るのかはわかりません。
どんなにZOZOSUITの計測が簡単で、精度が高くても、届いた洋服が自分の思っていたのと全く違うものでしたら意味がありませんから、もっとも重要な評価ポイントでしょう。
洋服って案外人によって細めが好きだったり、ゆとりがある方が好きだったり、好みが分かれるので、ZOZOがどんな風にそこを寄せてくるのか楽しみですねー。
今後ZOZOSUITは普及するのか?
ZOZOTOWNはこれまで、「ファッション好きの女性」が中心利用者でした。
ZOZOSUITの登場によって、私のように「新しいもの好きの男性」がZOZOTOWNに流入してきた、というのが現状です。(ZOZOSUITの申込者のほとんどが男性であることは公表されています)
同じサービスでありながら、全く別の利用者層が取り込めるようになるというのは案外例が少なく、珍しいかもしれません。
両者が入り交じることによって、サービスのブランドイメージへ悪影響を与えて、既存利用者が離れると行ったことが起きることはありえなくはありませんが、ZOZOTOWNはセレクトショップやファッションメーカーではなく、あくまでECサイトです。
ですから、ブランドイメージに対する利用者の期待感はそれほど強くなく、利便性への期待の方が大きいでしょうから、違う属性の利用者層が入り混じったとしても、単純に売上増加に貢献すると私は考えています。
次にZOZOSUITが普及するには、「新しいもの好きの男性」の層を取り込み尽くして、大衆層を今後ZOZOSUITで取り込めるかどうかが鍵になります。
正直、現状のアプリのみで計測を完結させて計測をするという設計である限り、大衆層を取り込むのは難しいでしょうね。
アプリを使いこなすのが難しいから、とかもあるのですが、みんな体のサイズを測ることにそこまで強い情熱は無いですよ。
「自分の体のサイズを測らなくても服は今までも買えて来たし、特に不便も感じてこなかった」という考えを変えさせるには相当な顧客教育が必要になります。
その意識を変えるために、スタートトゥデイは駅前でのZOZOSUITの無料配布などのようなアナログな企画も今後行っていく姿勢です。
それがうまくいくことを大いに期待はしながらもどうなるかはわかりませんから、投資家目線でいうと、直近数年(おそらく向こう5年ほど)は、「既存のファッション好き層」と「新しいもの好き層」の2つの層を主戦場として開拓していく前提で業績予想はするべきだと私は思います。